今回の記事では、日産自動車(7201)の株式が今買いかを説明していきます。
【もくじ】
日産株で含み損を抱えた株主が多い
最近とある雑誌記事で、「負けた個人投資家が含み損を抱えた銘柄ランキング」が掲載され、不名誉なことにその第1位に日産自動車が選ばれました。

つまり、日産自動車の株主が最も含み損を抱えている人が多いということになります。
筆者も2017年に日産自動車の株主だったことがありました。当時、配当目的(5%~6%)で1,000円くらいで購入して、1,200円くらいで売却しました。
売却益が200円幅・20%で、年間配当が約5%ですから、1年くらい保有しているだけで25%くらい利益が出た良いトレードでした。
日産株の値動きおさらい
しかし、2020年現在では日産自動車の株主は含み損を抱えた人が多いようです。それは何故でしょうか。チャートを見てみましょう👇
2010年から2020年までの日産自動車の東証一部でのチャートです。
2013年頃までは600円~800円の間を推移していました。その後アベノミクス効果などが相まって日経平均が上昇した2014年頃から株価を上げていて、2014年から2019年までは、おおよそ800円~1300円の間のレンジで推移してきました。
ところが2019年頃から2020年3月期決算の赤字予想が日産から報告されると、株価は大きく下落しました。実際に2020年3月期決算で、6712億円の赤字となり、11年ぶりに赤字に転落しました。また、コロナウイルス感染症の拡大に伴ったいわゆるコロナショック時(2020年3月)には、直近10年での最安値313円まで下落しました。
減配も下落の原因
日産株といえば、ここ10年くらいは高配当株で有名でした。年利5%~6%という時期も長かったので、大手企業の株の中ではたしかに高配当の部類に入ります。
日産自動車は、フランスの自動車メーカーであるルノーの子会社です。つまり、ルノーが日産自動車の最大の株主になります。日産自動車が儲けたら、ルノーに配当金がたくさん配当されるために、高配当を維持してきました。
したがって、配当目的で買った株主が多かった銘柄です。
しかし、直近の業績悪化に伴って、2020年2月に減配を発表しています。約5%台だった配当利回りは、一気に2.4%まで下落しました。そこまで配当利回りが下がってしまうと、配当目的の株主にとっては日産自動車株は魅力的ではなくなってしまうので、たくさん失望売りされたものと推測します。
短期的には「売り」か
日産自動車の今後の業績をふまえると、短期的にはさらに売られる可能性があります。なぜなら、コロナウイルス感染症の拡大によって景気が落ち込むと、クルマのような高額商品は世界的に売れにくくなるためです。
日産自動車の海外売上高比率は、90%を超えていますから、海外でどれだけ日産のクルマが売れるかどうかが、業績に大きく関わってきます。
日産だけではなく他の自動車メーカーでも2020年、2021円あたりの販売台数は、2018年・2019年あたりの好調だった販売台数と比べて下がるという予想を立てています。
したがって、日産自動車の業績も今後2~3年は、厳しい状態が続く可能性が高いです。
長期的には「買い」か
しかし、筆者は、日産自動車の株は長期的には買いだと考えます。
なぜなら、世界的にみると自動車の販売市場は右肩上がりです。日本では「クルマ離れ」が進行していますが、アメリカや東南アジア・アフリカなどの新興国では、経済成長に伴って、住民の所得が上がってきており、クルマを持つ人が増えています。
そのような海外の環境を考慮すると、日産自動車も5年・10年先には業績をV字回復させる可能があります。業績が良くなれば、また株価も高くなってきます。
したがって、5年・10年長期ホールドする覚悟があるのであれば、日産自動車の株は長期的には買いだと個人的には考えます。
2020年に300円台または400円台で購入して、また2019年頃の1000円台くらいまで株価が回復すれば、約2.5倍ほどになりますので、長期保有では利益が出る可能性がある銘柄だと考えます。
まとめ
以上のとおり、
2020年時点において日産自動車の株は、
・短期的には「売り」
・長期的には「買い」
だと結論づけます。
あくまで筆者フジマナの個人的な分析なので、投資は自己責任かつ慎重に行いましょう。
この「日産株は今が買いか?」については、筆者フジマナのYouTube動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。