このページでは、「給与所得だけでは本当に裕福にはなれない理由」について簡単に説明します。
ほとんどの人は、できれば自分の収入を増やしたいと思います。収入が増えれば生活レベルが上がるので、収入を上げたいのは当然のことです。日本人の多くは、会社員や公務員として、「労働」することにより給与を受け取ることによって収入を得ています。つまり、「給与所得」です。そして、できればその労働所得・給与所得を増やすために、同じ勤務先に長く勤める、良い評価を得る、などして昇格・昇給する、転職してキャリアップする、などして努力することになります。
しかしながら、そのようにして労働による給与所得を増やしたとしても、自分の手元に残る金額はあまり増えていきませんので、想像以上に生活は裕福にはなりません。
【もくじ】
所得税に関する累進課税
日本で給与所得を上げても生活レベルが裕福にならない一つの理由は、日本の所得税の累進課税制度です。
所得税の税率は、平成27年以降は5%から45%までの7段階の税率に分けられます。所得税は、個人の所得に対して課税される税金ですが、得た収入のすべてに課税されるのではなく、収入から必要経費を差し引き、そこからさらに所得控除を差し引いた残りの額に所定の税率を適用して税額が決定されます。
① 収入-必要経費=所得
② 所得-所得控除=課税所得金額
③ 課税所得金額×税率-控除額=基準所得税額…※1 以下の速算表で確認
④ 基準所得税額×2.1%=復興特別所得税(2013年から2038年まで25年間課税)
⑤ ①+②=所得税・復興特別所得税の額
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
このように、収入が多くなるにつれて、税率が上がり、所得税率が上がることになっています。
住民税
住民税は、課税標準額(所得金額 - 所得控除)に対して10%の税率で課税されます。収入が上がるにつれて、住民税の税率は上がりませんが、課税標準額が上がるので、住民税の課税額も上がります。
給与所得の手取り額
また、所得が上がるにつれて、所得税や住民税だけでなく、厚生年金支払額や雇用保険料も上がっていきます。したがって、収入が上がるにつれて、給与所得(額面)に対する自分の手取収入の割合は、どんどん減ってきます。
下記は、給与所得に対する額面年収と手取り年収の一覧です。(扶養家族の人数や他の税金控除理由により、手取り年収は多少増減するので、あくまで目安です。)
年収 | 健康保険料 | 厚生年金保険料 | 雇用保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り年収 | 手取り割合 |
500万円 | 286092 | 450180 | 15000 | 138100 | 240200 | 3,870,428 | 約77% |
1000万円 | 579168 | 680760 | 30000 | 845800 | 635500 | 7,228,772 | 約72% |
1500万円 | 886200 | 680760 | 45000 | 2123800 | 1103200 | 10,161,040 | 約67% |
2000万円 | 969936 | 680760 | 60000 | 3775100 | 1593300 | 12,920,904 | 約64% |
5000万円 | 969936 | 680760 | 150000 | 16352300 | 4629800 | 27,217,204 | 約54% |
1億円 | 969936 | 680760 | 300000 | 39225900 | 9614800 | 49,178,604 | 約49% |
年収が高くなるほど、手取り金額は上がってるものの、額面年収のうち手取り年収として残る割合(手取り割合)は、どんどん下がることが分かります。年収500万円では額面の約77%が手取りとして残ったのに対して、年収5000万円では額面の約54%、つまりおよそ半分程度しか手取りで残りません。
日本での労働収入の限界
日本人の多くは、企業や官公庁に勤めて「労働」することにより、その対価として、「給与収入」を得て生活していますいます。しかし、日本の給与水準では、非常に待遇が良い大企業に勤めたとしても、取締役・執行役員レベルまで出世する場合、高額なインセンティブがある場合等を除いて、せいぜい年収2,000万円くらいが限界でしょう。
前述のとおり、年収2,000万円の給与所得の手取りは、(扶養家族の人数、他の税金控除理由により増減するが)およそ1290万円前後です。それを12か月で割ると、月に100万円程度になりますので、日本で給与収入だけで生活する人は、一般的な努力では、それくらいの生活レベルが限界かと思われます。月に100万円程度の収入で、本当に裕福だと言えるでしょうか?日本において労働収入だけで本当に裕福になるのは、厳しいと言わざるを得ません。つまり、「労働収入で裕福になるには限界がある」と言えます。
給与所得と株式の所得税比較
上場株式・上場投資信託等(以下「株式」と称します)の取引で生じる収益は、株式を売却することによる「売却益」と株式を保有ことによる「配当金」の2つに分けられます。
株式の売却益が出ると、税金を支払わなくてはいけません。株式の売却益に対する税金の区分は「申告分離課税」となり、利益に対して20.315%の税金が課税されます。内訳は所得税が15.315%、住民税が5%です。そして、株式の売却益は、利益が多くなっても、課税率は変わりません。
ここで、給与収入と株式の売却益による収入に対する課税額を同金額で比較します。(給与収入の手取り金額は、扶養家族の人数や他の税金控除により多少増減するので、あくまで目安です。)
給与収入で年収2,000万円の場合、手取りは約1,292万円となります。一方で、株式で年収2,000万円の場合、手取りは約1,593万円となります。約300万円の差が出ます。
給与収入で年収1億円の場合、手取りは約4,917万円となります。一方で、株式で年収1億円の場合、手取りは約7,969万円となります。なんと、3,000万円以上の差が出ます。
こうやって同じ収入金額で比較してみると、収入が高くなるほど、株式による収入は、給与収入よりも手元に残る金額が多く、効率的な収入であることが分かります。
元銀行員が見た日本人の資産状況
筆者は、大学卒業後に新卒で銀行に入社し、個人向けのローン・保険・金融商品の営業から、法人向け融資営業まで、一般的な銀行の営業を経験してきました。その銀行員時代に、個人顧客においては、所得がなく借金だけ残った顧客から、資産10億円以上の富裕層まで、幅広い経済事情の顧客を見てきました。
私が見た顧客においては、金融資産が数千万・数億円レベルあるような人で、給与収入をコツコツと普通預金の日本円だけで貯めてきた人はほとんどいないのが現状です。ある程度たくさん資産がある人は、株・投資信託などの金融商品で「資産運用」をして「資産を増やす」という行動をとっている人が多いです。また、特に最近は、仮想通貨の投資で急に資産を増やした人が多い世の中になりました。
まとめ
日本で本当に裕福になるには、給与収入だけでなく、株・仮想通貨・投資信託などの金融資産による利益を得ていくことが大切だと考えます。特に、株・仮想通貨・投資信託などの資産運用は、会社員・公務員・専業主婦などの一般的な人でも簡単に始められるため、オススメしています。
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